ささきりか司法書士事務所

生前贈与と寄与分の相続問題とは

お問い合わせはこちら

人は何のために遺言を遺すのか・ 遺言がないと何が起きるのか(その1)

人は何のために遺言を遺すのか・ 遺言がないと何が起きるのか(その1)

2026/06/10

我が家の孫娘、最愛のちーぬちゃん。

7歳になったばかりのキジトラ猫のちーぬちゃんはとっても甘えん坊。

何より、ママのことが大好きです。

 

この2週間ほど、ちーぬちゃんを我が家で預かっていましたが、先日、久しぶりにママのもとへ帰っていきました。

 

お家に着いたとたん、久々にママに会えた喜びなのか、しばらく会えなかった淋しさなのか、

『にゃ~おん』『にゃ~おん』『にゃ~おん』『にゃ~おん』『にゃ~おん』……………………と、

声が枯れるまで泣き続けたそうです。

 

大切な人を思う気持ちは、人も猫も同じです。

 

今回から2にわけて、

『遺言がないと何が起きるのか』

をテーマにお話しします

 

1.相続人間で揉めるケース

相続が開始し、遺言がない場合、まず

・相続人を確定し

・遺産の内容を調査し

その後、相続人全員で話し合い、誰がどの遺産を引き継ぐかを決めます。

 

この場合、原則的には『法定相続分』に従って分けることになります。

例えば、相続人が配偶者と子3人の場合、法定相続分は

・配偶者 6分の3

・子   各6分の1

となります。

 

ところが、次のようなケースでは、遺産分割協議が整わず、相続人間で揉めることが多くなります。

 

⑴ 生前贈与がある場合

生前に特定の相続人へ贈与をしていた場合、他の相続人が「その贈与は遺産の先払い(特別受益)だ」と主張し、その分を遺産に持ち戻して法定相続分で分割するよう求めることがあります。

一方、生前贈与を受けた者はこれを認めず、双方の主張が対立し、紛争に発展することがあります。

 

例えば次のようなケースで、兄弟姉妹間の不公平感が生まれやすくなります。

【生前贈与を主張する典型例】

① 婚姻・離婚・転居の際、特別な援助をした

② 特定の子のために、その子の自宅の新築費用を援助した

③ 特定の子に被相続人の自宅を使用させ、生活費も支援していた

④ 特定の子にだけ被相続人所有の土地を使用させていた

⑤ 近くに住む子にだけ、日常的な生活支援や娯楽費の負担をしていた。

⑥ 特定の孫の進学費用を援助した

⑦ 経済的な援助ではないが、特定の子のために特別の労力を提供し、結果的に経済的利益を与えた

(例:孫の世話をすることで、子が仕事を継続できた場合)

⑧ 被相続人所有の賃貸物件を特定の子に管理させ、管理手数料を超えて収益を独占していた

 

特別受益(遺産の先払い)として認められるのは、

『相続人に対し、生活の資として援助した財産』

に限られます。

しかし、

・何をもって『生活の資』とするのか、

・『援助した財産の額』はどう評価するのか

・それが『援助』と言えるのか

について、相続人間で認識が異なることが多く、これが紛争の火種となります。

 

なお、旅行に行ったり、食事に行ったり、娯楽のために使った財産は、『生活の資として援助した財産』には当たりません。

 

⑵ 寄与

相続人の中に、生前、被相続人の財産を維持・増加させるために特別な貢献(寄与)をした者がいる場合、

「その分は自分の取り分として評価すべきだ」

と主張することが考えられます。

 

例えば次のようなケースです。

【寄与分の主張が問題となる典型例】

① 特定の子のみが、長期間にわたり療養介護をした

② 特定の子が、被相続人の居宅の新築費用の全部または一部を負担した

③ 特定の子が、無償で被相続人の事業に協力し、事業の維持・拡大に貢献した

 

しかし、

・『遺産の保全に努めたといえる寄与』とは何か

・『寄与を金額』でどのように評価するのか

・そもそも『寄与』といえるのか

について、相続人ごとに認識が異なることが多く、寄与を主張する者と、それを認めない者との間で対立が生じ、兄弟姉妹間の不公平感が強まり、紛争に発展します。

 

なお、

・親の通院に付き添い医師の説明を聞いた、

・病院への送り迎えをした、

という程度では、『療養看護に努めた』とは評価されません。

これらは、親と子の当然の扶養義務の範囲内とされ、寄与分として認められることは、通常ありません。

 

 

相続に関する誤解や不公平感は、遺言を遺すことで解決されるケースが多いと感じています。

遺言に、『付言事項』として、なぜその分配方法にしたのか、家族に対する思いはどのようなものか、などを遺すことで、子供たちの納得が得られ、円満な相続へと導くことが期待できます。

世田谷区や目黒区では、遺言作成の際、司法書士や弁護士、行政書士といった専門家の支援を受けると良いでしょう。

 

次回は、特に紛争に発展しやすい『相続財産が不動産のみの場合』についてお話しします。

 

----------------------------------------------------------------------
ささきりか司法書士事務所
東京都世田谷区等々力7丁目24番8 シーダム等々力ウエスト203号
電話番号 : 070-2612-5578
FAX番号 : 03-5752-4011


東京にて承る遺言作成の相談

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。