遺言がないと何が起きる?(その2)~遺産が不動産のみのケース~
2026/06/24
我が家の孫娘、最愛のちーぬちゃんには、弟と妹がいます。
キジ白5歳の男の子『おはぎ』と、キジトラ3歳の女の子『ぴぴ』です。
『おはぎ』はちーぬちゃんより2歳年下の弟で、『ぴぴ』はちーぬちゃんより4歳年下、おはぎより2歳年下の妹です。
ちーぬちゃんは我が家の『孫』です。一方、おはぎは『我が家』の長男で、ぴぴは四女です。
猫社会の複雑な事情があり、長らく我が家に居候しているうちに、おはぎもぴぴも、いつの間にやらウチの子になりました。
今回は前回に続き、
『遺言がないと何が起きるのか』
をテーマにお話しします。
1.相続人間で揉めるケース
前回の記事では、
⑴ 特定の相続人に生前贈与がある場合、
⑵ 特定の相続人に特別の貢献(寄与)がある場合
についてお話ししました。
今回は、遺産が不動産のみの場合についてお話しします。
⑶ 遺産が不動産のみ
相続財産が自宅建物とその敷地のみで、預貯金などの金融資産がほとんどない場合、遺産の分け方をめぐって相続人間で意見が分かれ、紛争に発展することがあります。
例えば、
・不動産を誰が引き継ぐのか、その代償金はどうするのか
・売却して現金化し、相続人間で分けるのか
といった点で対立が生じやすくなります。
相続人の希望も様々です。
・「不動産は欲しいけど、代償金は支払えない(または支払いたくない)」
・「不動産はいらないが、法定相続分に相当する代償金は受取りたい。」
・「思い出の詰まった家を手放したくない。でも、お金は欲しい」
・「母の相続のときは兄が全部もらったのだから、今回は 私が全部もらえるはず」
このように、それぞれ自分の希望を主張し始めると、相続はたちまち『争族』へと変貌します。
親としては、自分の相続をきっかけに子どもたちが不仲になることなど望んでいないはずです。
遺言は遺産の分配方法を定める文書ではありますが、単に「だれに何を渡すか」を決めるだけではありません。
遺言を作成する過程で、
・子どもたちの気持ちを丁寧に聞き取り、
・自分の思いを遺言に『付言事項』として残すことで、
後の紛争を未然に防ぐ効果があります。
遺言事項の例を一つご紹介します。
『私の財産は、自宅不動産とわずかな預貯金のみです。
妻の今後の生活を守るため、私は妻に全ての財産を相続させることとしました。
この内容が、子供たちの遺留分を侵害していることは理解しています。
子供たちは、私にとってかけがえのない存在です。生まれてきてくれたこと、これまで同じ時間をともに過ごせたことに、深く感謝しています。
ただ、私の相続をきっかけに、家族の間で争いが生じることだけは望んでいません。
遺留分侵害額請求権を行使するか否かは、各々の判断を尊重します。
私の願いは、これまで通り、妻と子供たちが互いを思いやり、穏やかに幸せに暮らしていくことです。』
仮に、財産が不動産のみで、相続人の1人がすべての財産を取得することとなっても、このような付言事項を設けることで、他の相続人の納得は得られやすくなるのではないでしょうか。
次回は、事実婚・内縁関係、婚外子がいる場合など、遺言がないことで問題が生じやすいその他のケースについても取り上げたいと思います。
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