ささきりか司法書士事務所

遺産分割協議におけると司法書士の役割

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遺産分割協議におけると司法書士の役割

遺産分割協議におけると司法書士の役割

2026/09/19

遺産分割協議における司法書士の役割

遺産分割協議は、相続人間で遺産の分け方を話し合う重要な手続きです。

遺産の種類、相続人の数、各相続人の希望、特別受益や寄与分の有無など、さまざまな事様々な事情が複雑に絡み合うため、円滑に進めるには法的専門知識が欠かせません。

司法書士は、中立的な立場から法的助言を行い、相続人の言葉や希望を法的に整序し、誤解のない形で協議内容をまとめる役割を担っています。

相続人間で合意が成立したときは、その内容に基づき遺産分割協議書を作成し、相続登記などの手続きに適切に反映させることで、協議内容を確実に実現します。

特に、主な遺産が不動産のみであり、金融資産が十分でないケースでは、協議が難航することが少なくありません。その結果、一部の相続人の生活に深刻な影響が生じることがあります。

【相続財産が不動産のみで代償金が支払えないケース】

例えば、相続財産が

・世田谷区の居宅と敷地(時価約1億円)

・預貯金 200万円

であり、相続人が子A、子B、子Cの3名というケースを考えます。

Aは相続開始前からその居宅に居住しており、居宅・敷地を取得して、引き続き自宅で生活を続きたいを希望しています。

一方、B、Cは不動産を時価で評価し、「相続財産の総額は1億200万円であり、これを、3人で均等に3,400万円ずつ分けるべき」と主張します。

この主張をそのまま採用すると、預貯金200万円はB、Cが100万円ずつ取得し、不足分は、Aが不動産を取得する代償金として、BとCに3,300万円ずつ、総額6600万円を支払う必要があります。

Aにその資力がない場合、どうなるでしょうか。

Aは、自宅と敷地を売却し、売却益から代償金を支払うしかなくなります。

その結果、Aには、

・住み慣れた家を失い、

・売却や転居の経済的・精神的・労力的負担を負い、

・慣れない居住環境で生活する

という、極めて酷な状況が待っています。

【司法書士にできること・できないこと】

司法書士には家事事件の代理権はないため、

・相続人の誰かを代理して主張する

・遺産分割協議の内容を具体的に提案する

・他の相続人を説得する

といった行為はできません。

しかし、次のような行為は、司法書士が中立的立場で行える支援として、許容されるものと考えます。

・不動産を時価相当額で評価して均等に分けた場合に生じる不利益を、想定される事実として淡々と説明する

・誰がどれだけの不利益を負うのか、具体的・客観的に整理する

・居住者の生活を守る選択肢を提示する

・不動産の管理負担(税金・修繕等)を考慮し、時価評価額を現金同様に扱うことが合理的ではない場合があることを説明する

・被相続人の居宅を守ることが、不動産を取得しない相続人にとっても一定の利益になり得る現実(生まれ育った家を守る、家族の拠点を残す、親の築いた財産を守るなど)を伝える。

司法書士は、複数の選択肢を提示し、それぞれの選択がどのような結果をもたらすのかを、法的・客観的に整理し、相続人が自らの判断で合意に至るための手助けをします。

しかし、相続人間の対立が激しく、合意形成が困難な状況において、相続人本人の自発的な合意形成をうながす以上のことは、弁護士法72条に反し、許されません。

その場合は弁護士による代理・交渉が必要となります。

【居住環境を失う不利益は可能な限り避ける方向で】

相続をきっかけに、住み慣れた家を失うことは、相続人にとって極めて酷なことです。

不動産には、税金・修繕等などの管理負担が伴い、単純に時価相当額を評価して均等に分けることが合理的でない場合が多いと考えられます。

また、被相続人の居宅を守ることは、

・親が築き上げた財産を守る、

・自分が生まれ育った家を守る、

という、金銭では評価しきれない価値を持つことも事実です。

司法書士は、相続人の意思を尊重しながら、このような現実を丁寧に説明し、不動産を取得しない相続人も納得できる合意が成立できるよう支援します。

 

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